premiere proを購入してインストールしたはいいものの、最初の画面がすでに難しそうで手が出せないでいて、全く触らずに月々の更新料が支払われていってはいませんか?

この記事で紹介する方法のまま操作することで、premiere proを立ち上げてから、動画の書き出しの一連の作業が何なくこなせるようになり、動画編集ができるようになる方法を解説していきます。

目次

Adobe Premiere Proとは?

premiere pro ロゴ

Adobe Premiere Proは、映画制作やテレビ番組制作などでも利用される、ハイエンド(高性能)の動画編集ツールです。直近の映画で言うと『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の制作の時にPremiere Proが使用されていました。他にも『デッドプール』や『シン・ゴジラ』の編集ソフトとして使われてきました。

こう書くと、とても難しそうに見えますが、誰でも簡単に使える、というのが大きな魅力で、実際に多くのYouTuberやクリエイターが愛用しています。様々なファイル形式に対応しており、Premiere Pro単体で動画編集が行えますが、さらにAdobeの他のアプリとの連携により、さらにハイクオリティな動画も作成できます。

筆者はAdobe製品のソフトを中心に利用しているのでこれからの記事も、動画制作に利用するAdobe製品の操作方法をご紹介していきます。
では次にどうしてPremiere proなのか、その特徴について書いていきます。

Adobe Premiere Proの特徴

1. 様々な形式に対応

Premiere Proが使いやすいといわれている特徴の1つとして、様々なファイル形式に対応しているので、一眼レフ、GoPro、iPhoneやその他スマホなどで撮影した映像ファイルが簡単に利用できます。

映像ファイルはPC上でソフトにドラッグ&ドロップするだけですぐに編集を始めることができます。様々な形式のファイルに対応している上にファイル変換の手間無くすぐに編集に取り掛かれるので、効率的に作業を行えます。

2.編集機能の豊富さ

次に紹介する特徴は、編集機能の豊富さです。Premiere Proひとつで、映像ファイルをトリミング(カット編集)したり、オーディオ編集ができたり、さらに色調変更やモーションカット切替など様々なエフェクト(効果)をつけるなど、幅広く行え、効率よくクオリティの高い動画編集ができます。

3. 他のアプリとの連携のしやすさ

Adobeソフト ロゴ

そしてPremiere Proの大きな強みが、他の自社ソフトの連携がとても強く優秀なところです。

単体でも高性能なソフトですが、画像加工やテロップを自由自在に作り出せる「Photoshop」、動画用のイラスト素材を作成できる「illustrator」、用意した素材にエフェクトを加えてよりインパクトのある動画素材に仕上げる「After effect」など、使いこなせるようになると、表現の幅が無限に広がり、限りなく思い通りの映像を制作することができるようになります。

どれもAdobeの自社ソフトなので、データを劣化させることなく、編集できます。

ここまでは、動画編集とはどういったものか、Premiere Proがどんなものなのかを説明してきました。大体のことは理解していただけるの思うので、次はいよいよ動画編集を行うまでの準備段階の部分を説明していきます。

4.サポートが充実している

なんといっても、これがPremiere Proの強みと言っても過言ではないというほど。編集作業の説明記事や説明動画、サポートがとても充実しています。

Adobe社提供の公式ウェブページやYouTubeでの解説動画はもちろん、このサイトもそうですが、クリエイターや制作企業によるPremiere Proの説明情報や解説動画はインターネット上に多く存在しています。これは利用ユーザーの数に比例しています。そのため、解決できない問題はあまり存在しません。

初めて編集作業を行う時や、編集時に捜査が分からなくなったり、やりたい表現がある時に検索すると、スピーディに解決策を見つけることができます。これが、他の編集ソフトや、無料のマイナー動画編集ソフトだと、問題の解決策を見つかるだけでも相当な時間がかかってしまいます。

Premiere Proのワークスペース(作業画面)

編集の流れを説明する前に、Premiere Proのワークスペースの理解から入っていきます。まずはどういった作業画面なのかを理解してからの方が、編集に入った時にスムーズに行えます。

Premiere Proのワークスペース

①ソースモニター
プロジェクトに読み込まれたクリップ(素材)を再生したり、使用する範囲を指定して使用することができるスペースです。

②ワークスペースメニュー
素材を入れて行きながら必要に応じてカットしていき全体を作っていく時に便利な「アセンブリ」、通常の編集作業を行う「編集」、カラー補正を行う「カラー」、エフェクトを設定する「エフェクト」、サウンドの調整を行う「オーディオ」など、それぞれの作業に最適化されたワークスペースをメニューにまとめられており、1クリックで切り替えが可能です。

③プログラム
タイムラインでの編集内容をリアルタイムで表示します。

④プロジェクト
編集に使用する動画や静止画、音楽などのクリップ(素材)を管理するスペース。

⑤メディアブラウザー
ハードディスクなどに保存されたクリップを検索、表示、プレビューし、プロジェクトに読み込みます。

⑥ツールパネル
動画編集に使用する各種ツールが表示されたパネルです。

⑦タイムライン
クリップを配置し、時間軸に沿って編集を行うスペース。編集した内容をひとまとめにしたものを「シーケンス」と言います。

動画編集を行うまでの基本的な流れ

ここからは、Premiere proをインストールしていただいたことを前提に、Premiere proでの編集を行うまでの具体的な流れを説明していきます。

もし、まだだったとしても、全然理解できる内容となっていますので、予習するつもりで見ていただけたら幸いです。

1.撮影した動画データをSDカードからコピーする

まずは撮影した素材をPCにコピーしましょう。コピーする前にあらかじめ保存するファイルを作って、そちらにドラック&ドロップしてください。

データ移動説明画像

撮影データをコピーした後、Premiere proを立ち上げる前に編集データを保存する場所も作っておきましょう。

データ移動説明画像

2.Premiere proでの操作

まずPremiere proを開き、画面左側にある「新規プロジェクト」を押します。

Premiere pro画面操作画像

すると、これから作る動画編集のファイルをどこに保存するかを決めることができます。編集のデータは、先ほどあらかじめ作っておいたファイルを選択します。そして名前を決めて、OKを押します。他にも色々設定する項目がありますが、ここは今は触らなくて大丈夫です。

Premiere pro画面操作画像

そしたら、Premiere proが立ち上がります。まず最初にすることは、使う素材を選択する作業です。「メディアブラウザー」と書かれたタブがありますので、こちらをクリックしてください。メディアブラウザーが見つからない場合は、「ウィンドウ」から「メディアブラウザー」をクリックすると表示されます。

そして、使用する動画素材を「プロジェクトパネル」にドラック&ドロップします。

Premiere pro画面操作画像

次に、「シーケンス」を作ります。ファイルから「新規」→「シーケンス」を選んでください。シーケンスというのは、紙で例えるとA4サイズ、みたいな感じで、「A4サイズという限られたスペースで絵を描いていく。」のようにどういった大きさの場所に、映像を作っていくかというものを決めるものです。

Premiere pro画面操作画像

そして、左側のプリセットから、「Digital SLR」の中にある「DSLR 1080 P 30」を選んでください。これは私たちの家にある一般的なテレビの大きさのフルハイビジョンの解像度で、1秒間に30コマの映像を示しています。映像は、画像と画像をつなぎ合わせたもので、コマ数が少なくなれば映像もカクカクしたものになります。

最後に「シーケンス名」を決めて、OKを押します。

Premiere pro画面操作画像

すると、Edit1にタイムラインが作られました。これで編集する準備ができました。そしたら一旦ここで保存しましょう、「ctrl + S」もしくは「⌘ + S」で行えます。この保存はこまめにしてください。保存せずに消えてしまった場合、程度にもよりますが、やったところまで直すのに膨大な時間と労力がかかります。絶対に意識しておいてください。

Premiere pro画面操作画像

ここまで来たら、ついに編集作業へと取り掛かれます。

動画編集の流れ

1.クリップをシーケンスのタイムラインにドラッグ&ドロップ

Premiere pro画面操作画像

まず、クリップをプロジェクトパネルからシーケンス内にドラッグ&ドロップしてください。シーケンスにクリップを配置すると、「プログラムモニター」に配置したクリップの内容が表示されます。

再生ボタン、もしくは「Enterキー」を押すと、タイムラインに配置したクリップをプレビューとして再生できます。

2.クリップに「エフェクト」を追加する

Premiere pro画面操作画像

クリップとクリップをそのままつなぎ合わせた状態でも大丈夫ですが、何か演出を加えたいと思った時に便利なのが「エフェクト」です。クリックのつなぎ目の部分に様々な演出を追加することによって、よりクオリティを高めることができます。

ワークスペースメニューから「エフェクト」を選択すると、右側にエフェクトの一覧が出てくるので、その中から好きなエフェクトを選んでください。今回は、「ビデオトランジション」の中の「スライド」にある「スワイプ」を選択しました。様々な種類があるので、たくさん試してみるのもアリです。

そして、クリックとクリップの間にドラッグ&ドロップして再生すると、エフェクトの演出が追加されて映像が流れます。エフェクトをダブルクリックすると、エフェクトの効果時間を長くしたり短くしたりできますので、作る映像によって自分の好きな長さに調節してください。

3.BGMの追加

動画に欠かせないモノとして「BGM」が挙げられます。「BGM」によって、映像の雰囲気は決まるので、とても重要です。ネット上には、ロイヤリティーフリーの楽曲があるので、練習のうちは、そちらから引っ張ってくるのもアリです。

基本的に、BGMもダウンロードしたら、Premiere Pro内の「プロジェクトパネル」にドラッグ&ドロップ。その後にコンポジション内に移せば、編集できるようになります。

Premiere pro画面操作画像

左側は上下に広げられるので、BGMの部分を広げると、小さな「〇」があります。

これは「キーフレーム」と言って、キーフレームを打った場所を変化させることができます。左側の三角形の間にある「〇」を押すと追加されます。

1つだけ打つと、全体が変化します。画像のように2つ打つと、各自で変化させることが可能になり、音をフェードイン(段々大きくなってくる)させたり、フェードアウト(段々音が消えていく)させることができます。

場面によって音量を調節して、印象の変化を与えることが可能になります。

4.カラーの調節

Premiere pro画面操作画像

同じくエフェクトの一覧の中に「Lumetriカラー」というエフェクト機能があるので、クリックしてください。すると、

Premiere pro画面操作画像

このような編集画面が現れるので、自分好みに調整していってください。再生を止めているクリップに色の編集が適応されるので、次のクリップの色を変えたい場合は、再生ヘッド(青いバーのこと)をそのクリップの箇所に移動させてください。

5.コンポジション内のエフェクトをレンダリング

レンダリングとは動画編集の際に編集した内容を動画に反映させる機能です。レンダリングをすることで編集中に重い素材やエフェクトを使用した時に起こる、プログラムモニターのプレビュー画面がカクカクになる現象を抑えることができます。レンダリングを行うと、最終的な書き出しのスピードを高速化できます。

Premiere pro画面操作画像

赤だとプレビュー時のレンダリングが必要でコマ落ちしたプレビュー映像になりやすいです。エフェクトがちゃんとした映像になっているかどうか確認する際にはレンダリングをした方が良いでしょう。

Premiere pro画面操作画像

筆者の場合スムーズに映像を確認したいので、上の画像のように、「メニュー」の「シーケンス」を選び、「インからアウトでエフェクトをレンダリング」を選択して、エフェクトだけをレンダリングして、映像を確認します。

レンダリングはエフェクトや素材、量によっては時間がかなりかかることがあるので、ちょっとした休憩の前や食事の前などにしておくと時間を有効活用でき、後々編集がしやすくなります。

6.動画データとして書き出し

Premiere pro画面操作画像

完成したコンポジションを動画ファイルとして書き出します。メニューバーの「ファイル」→「書き出し」→「メディア」を選択してください。

Premiere pro画面操作画像

すると新たな画面が出てきます。左側の画面で書き出す長さを調節して、右側の出力形式「H.264」を選択し、「書き出し」を選択するとレンダリングが始まり、出力先として指定したフォルダに書き出されていれば、レンダリングは完了し、動画データの完成です。

まとめ

この記事では、Premiere Proとはどんなものなのか、その特徴とメリット、機能や基本的な使い方について解説しました。上記でも説明したように、Premiere Proはハイエンドの動画編集ソフトなので、映画製作のレベルまでも編集できます。

ということは、学べば学ぶほど、より本格的な動画を作ることができます。ここでは、その本格的な動画編集を行う前の土台です。この記事をしっかり読んで基本操作をマスターしてください。

まずはiPhoneでいいので何か動画を撮影して、Premiere Proに入れて編集してみましょう!操作は読むだけでは覚えられません。実践あるのみです!